こんにちは!今回は第124回目になります!
今回は、凪良ゆうさん著『流浪の月』という小説について、あらすじと考察を書きたいと思います。
『流浪の月』は、2020年本屋大賞に選ばれた作品です。
2022年には、広瀬すずさん・松坂桃李さん主演で映画化されています。
今回は、こちらの本について、小説のあらすじと、自分なりに考察を書いていこうと思います。
ネタバレも含みますので、ご注意ください。
それでは、ぜひ最後までご覧ください。
流浪の月|あらすじ
『流浪の月』は、主人公の更紗が9歳の頃から物語がスタートします。
自由奔放で浮世離れした両親に育てられた更紗。
しかし、父は死に、母親は失踪。
預けられた伯母の家では、中二の従兄弟孝弘から悪戯をされ、息苦しい生活を強いられます。
物語の転換期は、そんな生活をしている中で起こります。
公園のベンチでは若い男の人がいつもいました。
「絶対ひとりになっちゃ駄目だよ。連れていかれるよ。」
近所でロリコンと噂される人物。
ある雨の日、更紗はそのロリコン人物と二人きりで公園にいる日がありました。
更紗は、孝弘の影響で伯母の家に帰りたくない。
そんな中、公園で声をかけられました。
「帰らないの?」
「帰りたくないの」と更紗は答えます。
「うちにくる?」
男に問われ、更紗はこう答えました。
「いく」
後に、これが“家内更紗ちゃん誘拐事件”として取り上げられます。
物語は進み、更紗は大人になり、そのロリコンと称される人物と再会します。
↓ここからネタバレ含みます。ご注意ください!
流浪の月|考察①
あらすじ読むと非常に怖い物語ですね。
でも、安心してください。大丈夫です。
ロリコンと噂された人物は文といいます。
更紗は文と2ヶ月間、文と一緒に過ごします。
伯母の家から解放され、更紗は昔懐かしい父と母がいた頃の自由な生活を謳歌していました。
でも、世間の評価は違います。
更紗は、ひどいことをされた被害者。
そして、文は世間から許されないロリコン加害者。
大人になった更紗は、恋人からも職場からもあらゆる場面で誤解されます。
「私は何もされていない。文は悪くない」と主張すればするほど、周りからは“本当は被害を受けたのに無理をしている可哀想な子”と同情の目で見られます。
これ、もし仮に、このような子が周りにいて、みなさんどのように反応しますか?
僕も多分、小説の周囲の人と同じように思ってしまうかも。
この小説、作者が一番書きたかったこととして「世間は必ずしも自分を理解してくれない」ということだと考察します。
流浪の月|考察②
「世間が自分を理解してくれないこと」に関して、更紗は常に反発していました。
しかし、物語の終盤には、それを受け入れます。
やがて、彼らは一緒に暮らし始めるように。
その事実はインターネットでも拡散され、多くの人から気味悪がられますが、それは周囲の話。
ちなみに更紗と文にはお互いに恋愛感情はないようで、ただ一緒に居たいだけのようです。
その事実も世間には理解されなくて、一層気味悪がられるのですが…。
世間体と自分の意思との間で揺れることは、小説に限らず山ほどあると思います。
『流浪の月』では、物語の途中、何度も何度も世間の一般論に流されかけることがあります。
しかし、最終的に自らの意思を尊重し、更紗は文と一緒に暮らすことを選択します。
みなさん、自らの意思を大切にしていますか?
世間体に流されていませんか?
作者はそんな問いかけもしているのかもしれませんね。
最後に
今回は『流浪の月』について書いてみました。
ネタバレも含む記事になりましたが、読んでない人はぜひ読んでほしい。
自分の言いたいこと、伝えたいことが、相手に理解されない経験は、みなさんにも経験はあるのではないでしょうか。
物語の事象は非常に特殊ですが、共感できる部分はあると思います。
ぜひこちらの本、実際に手に取って読んでみてください。
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ちなみに、2020年本屋大賞は『流浪の月』ですが、2023年本屋大賞は、同じく凪良ゆうさん著の『汝、星の如く』です。
以下の記事では、『汝、星の如く』についてレビュー記事を記載しています。
ぜひあわせて読んでみてください。
また、映画『流浪の月』はUーNEXTで配信しているようです。
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