こんにちは!今回は第122回目になります!
今回は、凪良ゆうさん著「汝、星の如く」という小説について、ブログに書きたいと思います。
2023年本屋大賞に選ばれた作品です。
すでに読破された方も多いのではないでしょうか?
今回は、こちらの本について、小説のあらすじとレビューを書いていこうと思います。
ネタバレも含みますので、ご注意ください。
それでは、ぜひ最後までご覧ください。
汝、星の如く|あらすじ
『汝、星のごとく』は、男女の約15年間を描いた一大スケールの物語です。
この物語の主人公は、二人。
閉塞感漂う瀬戸内の島に育った高校生の暁海(あきみ)と、自由奔放な母の恋愛のために、京都から島に転校してきた櫂(かい)。
物語は、櫂と暁海の高校時代から始まります。
この小説では、二人が、惹かれ合い、すれ違い、離れ、また出会い、そしてーー永遠に別れるまでが見事に描かれています。
まごうことなき王道の恋愛小説です。
しかし、それに加えて、理性だけではない人間味、人間らしさがグッと濃縮されたヒューマンドラマでもあります。
複雑な人間心理を、真っ直ぐ丁寧に描かれている分、心にズバッと突き刺さるのではないでしょうか。
23年本屋大賞にふさわしい感動の超大作です。
次章では、私なりに印象に残ったことを書いていきたいと思います。
汝、星の如く|レビュー①瞳子さんの名言
物語では、暁海の父の不倫相手として、“瞳子さん”という女性が登場します。
瞳子さんと暁海の関係性が非常に面白い。
本来憎むべき対象の瞳子さんに対して、暁海は、自立した女性という理由で、憧れを抱くのです。
一筋縄ではいかない人間心理が、ここで繊細に表されています。
瞳子さんは、暁海に対して、背中を押してくれたり、時には支援してくれたり。
閉塞感に苛まれていた暁海の人生を、明るい場所に導いてくれたのも瞳子さん。
ズバッと正論を言う瞳子さんに、暁海だけでなく、心を動かされた読者も多いのではないでしょうか。
瞳子さんのセリフで、こんなセリフがありました。
「お金があるから自由でいられることもある。たとえば誰かに依存しなくていい。いやいや誰かに依存しなくていい。それはすごく大事なことだと思う。」
また、こんなセリフも。
「いざってときは誰に罵られようが切り捨てる、もしくは誰に恨まれようが手に入れる。そういう覚悟がないと、人生はどんどん複雑になっていくわよ」
さらに、こんなセリフも。
「いざってときは、誰になんて言われようと好きなことをしなさいね。怖いのは、えいって飛び越えるその一瞬だけよ。飛び越えたら、あとはもう自由なの」
どうでしょうか?
瞳子さんのセリフの数々は、ズバッと私の心に突き刺さりました。
著者の凪良ゆうさんは、50歳。なんとなく瞳子さんと同年代のような気がします。
もしかしたら、瞳子さんのセリフの数々は、著者が若者に伝えたい大切なメッセージなのかもしれませんね。
汝、星の如く|レビュー②家族について
主人公の二人は等しく重荷を背負っています。
それが母親の存在。
櫂の母親は、一時たりとも男なしでは生きられない人。
“母親”よりも“女”なんです。
櫂は、母親の自由奔放な性格に振り回されます。
この母親のキャラクターが絶妙で、本当にダメな人だけど、バッサリ切り捨てられるほど悪い人ではないのです。
櫂自身も、苦悩します。
一方で、暁海の母親は、島の閉塞感を表したような人。
暁海を古い価値観で縛りつけます。
父の不倫相手の瞳子さんが、暁海を導いてくれる存在である一方、皮肉にも、実の母親の方は、暁海の足を引っ張る存在でした。
主人公の櫂と暁海は、本当に優しい。
でも、その優しさゆえに、自分の負荷となる存在を手放すことができない。
結果的に、足に錘がついた状態で、人生を生きていくことになります。
ただ、一方で、二人を支える数々のキャラクターも存在します。
確かに二人は、母親の存在が、自身の足を引っ張る存在になる。
でも、彼らを導いてくれたり、心の拠り所になってくれる人たちが、彼らを助けてくれます。
これは、何も物語だけの世界ではないような気がします。
『家族』との関係性で苦労している人も多いのではないでしょうか。
でも、ふと隣を見れば、『家族』ではない誰かが、あなたを支えてくれているかもしれません。
人生において家族という存在は非常に大きい。
けれども、それだけが全てじゃない。
『汝、星の如く』では、そんなメッセージも含まれていると思います。
最後に
今回は『汝、星の如く』について書いてみました。
僕が書いたレビューは、全く恋愛要素がないのはご容赦ください。
でも、安心してください。
れっきとした恋愛小説です。
ネタバレも含む記事になりましたが、読んでない人はぜひ読んでほしい。
僕は年間相当な数の小説を読みますが、自信を持って推せる本です。
ぜひこちらの本、実際に手に取って読んでみてください。
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ちなみに、2023年本屋大賞は『汝、星の如く』ですが、その前年、2022年本屋大賞は『同志少女よ、敵を撃て』です。
以下の記事では、『同志少女よ、敵を撃て』についてレビュー記事を記載しています。
ぜひあわせて読んでみてください。
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