こんにちは!今回は第109回目になります!
今回は、「マカン・マラン」という小説について。
みなさん、『マカン・マラン〜二十三時の夜食カフェ〜』という小説、ご存知でしょうか?
著者は、古内一絵さん。
こちらのマカン・マランは、シリーズもので第4部まである大ヒット小説です。
今回は、こちらの本について、あらすじと感想・レビューを書いていこうと思います。
ネタバレも含みますので、ご注意ください。
それでは、ぜひ最後までご覧ください。
マカン・マラン|あらすじ
マカン・マランは、1冊の本で、4つの短編小説から成る物語です。
マカン・マランは4部作なので、全部で16個の短編小説になります。
共通するのは、ドラァグクイーン(おかま)のシャールと、彼の経営するカフェ『マカンマラン』。
ちなみに、『マカン』は食事、『マラン』は夜、という意味です。
全16話の短編小説には、それぞれに主人公となる人物が存在し、彼らの異なる物語が描かれていきます。
それら主人公の、年齢や地位、職業はバラバラ。
でも、彼らは『人生をもがき苦しんでいる』という共通点がありました。
人間関係、仕事、健康のこと。
一生懸命に生きていても、ままならない人生。
そんな彼らは、偶然にもカフェ『マカン・マラン』に行き着きます。
そこで出会うのが、店主でドラァグクイーン(おかま)のシャール(本名:御厨清澄)。
人生の苦悩を抱える彼らと、シャールは巧みに会話をします。
シャールの言葉たちは、フッと心を軽くしてくれたり、背中を押してくれたり。
短編小説の最終部分では、主人公たちは、それぞれの人生の決断を下し、これまでとは別の道を歩んでいきます。
彼ら主人公のその後の人生は、また別の章で描かれているのも魅力の一つです。
本を読み進めながら、主人公たちと一緒に前を向ける小説です。
マカン・マラン|感想・レビュー①
16人の主人公たちは、それぞれ葛藤を抱えながら生きています。
どんなに成功している人だって、それぞれ大小あれど、みんな悩みを抱えていますよね。
当たり前だけど、そんな事実に気付かされる小説でした。
そして、彼らに語りかけるシャールの優しさが、心を温めてくれます。
これは人生の苦渋を味わった彼でないと、言えない言葉であったりします。
シャールは元々容姿端麗で、成績も優秀。
学校では生徒会長を務め、男女からも人気がありました。
卒業してからは、大手証券会社に勤め、海外支部を任されるほどのエリート。
でも、生まれてきた性別に違和感を持ち、苦しみながら生きていたようです。
そして、病気をきっかけに、自分を偽るのを止め、ドラァグクイーンとして生きるようになりました。
ドラァグクイーンとして生きていくのは、やはり大変な苦労があったようです。
これまでの友人から見放されたり、親からも受け入れてもらえなかったり。
そんなシャールだからこそ、悩める主人公たちを包み込んでくれる優しさを持っているのでしょうね。
マカン・マラン|感想・レビュー②
マカン・マランは、非常に丁寧な描写で、物事が描かれています。
特に、シャールから提供される食事。
マカン・マランは夜食カフェです。
体に優しい料理が振る舞われます。
料理が、文字だけでこんなに美味しそうに描写できるのか!
とても驚きました。
もうね、僕も早速、野菜中心の一品料理を作っちゃったりして。
うずうずしていられなくて、スーパーに駆け込んでレモン汁を買ってきたり。
これを読んだら、みなさん料理作りたくなりますよ、本当に。
昨日は、小さなフライパンまで買っちゃいました。
本を読んで、僕の趣味が一つ増えました。
マカン・マラン|感想・レビュー③
しがらみのない人間関係について。
夜食カフェには、気ままに人が集まっています。
みんな、新聞を読んだり、手芸をしたり。
時には、常連さん同士で、ぺちゃくちゃと会話を楽しんだり。
本当に好き勝手に夜の時間を過ごしている姿が描かれていました。
人間関係に疲れること、みなさんもありませんか?
そんな時、しがらみのない人たちと過ごすのは、本当にいいですよね。
マカン・マランの主人公たちは、基本的に人間関係に疲弊しています。
そんな彼らに、癒しの空間を提供しているのが、夜食カフェ『マカン・マラン』です。
ネットにも載っていない『マカン・マラン』は、常連さんだけの隠れ家カフェ。
裏路地を進んで、そんな秘密基地を探したくなりますね。
最後に
マカン・マランは、たまたま、人が薦めていたので、読んでみました。
本当に読んで良かった。
僕の文章だけでは、伝わり切れないけど、本当におすすめです。
特に、『人生のままならさ』に直面している人。
ぜひ読んでみてください。
『マカン・マラン』が、優しく包んでくれます。
もし、読む時間がとれない…って人は、耳から聴いて学べるAmazonオーディブルとか使ってサクッと通勤中とかにインプットしてみてもいいと思います。
また、以下の記事では、『夜明けのすべて』という小説について、記事を書いています。
こちらの小説は、パニック障害とPMSの男女を主人公とした物語です。
ぜひあわせて読んでみてください。
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