こんにちは!今回は第129回目になります!
今回は、青山美智子さん著『お探し物は図書室まで』という小説について。
『お探し物は図書室まで』 は、2021年本屋大賞第2位に選ばれた作品です!
短編集なのですが、一つ一つの読み応えは抜群!
短いページに、“ぎゅっ”と物語が詰め込まれています!
今回は、こちらの本について、小説のあらすじとレビューを書いていこうと思います。
それでは、ぜひ最後までご覧ください。
『お探し物は図書室まで』|あらすじ
『お探し物は図書室まで』は5つの短編小説から成り立っています。
5つの短編小説に、共通して登場するのは、図書室の司書の「小町さゆり」という人物。
彼女は、主人公に必要な本を調べて渡すレファレンスの仕事をしています。
「何をお探し?」
彼女は、それぞれの主人公たちに、こう尋ねるのです。
そして、彼らに必要な本と、+1冊、全く関係のない本を一緒に推薦します。
「なぜこの本を??」
疑問に思いながらも、その本を受け取る彼ら。
でも、この+1冊の本が、人生の岐路に導くことになるのです。
1冊の本は鮮やかに、そして軽やかに、主人公たちの日常に彩りを与えてくれます。
『お探し物は図書室まで』|レビュー
5つの短編小説の主人公たち。
それぞれ、みんな魅力的です。
中でも、2章目の主人公である諒の話。
すごくよかったです。
彼は、家具メーカーに働く35歳のサラリーマン。
彼は、高校生の頃、アンティークショップに魅せられました。
“いつか自分もあんな店を持ちたい”
お金を貯めて、会社を辞めて、場所を見つけて商品を揃えて、いつか、いつか。
ーーーーーいつかって、いったい、いつのことなんだろう?
みなさん、夢ってありますか?
それをいつ叶えようとしていますか?
この主人公のように、“いつかやろう”なんて思ったりしませんか?
僕も、この小説を読んで、ハッとしました。
僕にも、小さな夢があります。
早速、情報収集を始めました!
すると、オンラインのセミナーがあるのが分かって、来月受けてみようと思います。
この小説を読んで、ちょっとずつ前進しようと思いました。
『お探し物は図書室まで』|マカン・マランとの共通点
僕の大好きな小説に、古内一絵さん著の『マカン・マラン』という作品があります。
同じく、短編集です。
『お探し物は図書室まで』と『マカン・マラン』では、いくつか共通点があるな、と思いました。
共通点① 主人公たちが現状にもがき苦しんでいること
一つ目が、主人公たちが現状にもがき苦しんでいること。
どちらの小説でも、主人公たちは、現在の自分の環境に対して、不満や疲労感を持っています。
マカンマランの方が、だいぶ重い事情ですけどね(笑)
共通点② お助けキャラがいること
そんな主人公たちを救うべき、それぞれお助けキャラがいます。
『お探し物は図書室まで』では、小町さゆり
『マカン・マラン』では、シャール
『お探し物は図書室まで』では、小町から渡された1冊の本が、主人公たちにヒントを与え、次のステップへ導いて行きます。
『マカン・マラン』では、1冊の本に代わりに、シャールとの会話によって、主人公たちは、新たな道へ踏み出していきます。
共通点③ ストーリーが連結していること
最後に、ストーリーが連結していること。
主人公たちのその後のストーリーが、別の章で、しっかり描かれています。
次のステップに進んだ人の行く末って、リアルでも小説でも気になるじゃないですか?
新たな道に踏み出した彼らの姿を、本を通じて見守ることができるので、
短編小説でありがながら、長期的に物語を楽しむことができます。
最後に
今回は『お探し物は図書室まで』について書いてみました。
冒頭にも書きましたが、短編集なのに、一つ一つの読み応えは抜群!
短いページに、“ぎゅっ”と物語が詰め込まれています!
5つの物語は、新たな道に進もうとする読者に、勇気を与えてくれるのではないでしょうか。
一歩踏み出したい方には、ぜひ読んでほしい小説です。
また、『マカン・マラン』ファンにもぜひ読んでほしい。
『マカン・マラン』が好きなら、絶対この小説も好きなはずです。
逆に、『お探し物は図書室まで』を読んで、『マカン・マラン』を読んでない方!
とってもいい小説なので、ぜひ『マカン・マラン』も読んでみてください。
以下の記事では、『マカン・マラン』についてレビュー記事を記載しています。
ぜひあわせて読んでみてください。
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