こんにちは!今回は第136回目になります!
今回は、『あやうく一生懸命生きるところだった』という本について書きたいと思います。
こちらの本、韓国人のハ・ワンさんのエッセイ本になります。
この本、めちゃくちゃ面白いです!
そして、タイトル通りの本なので、『挫折してしまった人』や『ままならない人生に悩んでいる人』に、ぜひ読んでもらいたい本になります。
そうでなくても、「ちょっと嫌なことがあった」とか、「仕事でちょっと失敗した」なんていう人にもオススメです。
ちなみに私、仕事で失敗し、上司に説教された翌日に、この記事を書いています…笑
ぜひ、最後までご覧ください。
あやうく一生懸命生きるところだった|プロローグ
まず、プロローグが面白い。
本から一部引用しますね。
あと10分我慢して登れば山頂だと言われてひぃひぃ登ったのに、10分たっても頂上は現れなかった。もう少しだよ、本当にここからあと10分だから……。その言葉にダマされながら、40年も山を登り続けてきた。もう、どうにかなっちゃいそう!ここまで登ってきたついでに、もう少し登ってみることもできる。必死に登り続ければ、何か見えてくるかもしれない。でも、もう疲れた。気力も体力も底をついた。チクショウ、もう限界だ。そう、40歳はターニングポイントだ。そんな理由から、決心した。今日から必死に生きないようにしよう、と。
いかがでしょう?
なんか共感できませんか?
なんとか必死で頑張ってきたんだけど、報われない。
そんなこともあって、作者は『頑張らない人生』を歩んでいくことにするようです。
そこから、このエッセイはスタートします。
努力は必ず報われるわけではない
この本では、『努力は必ず報われるわけではない』という章があります。
エピソードとして、村上春樹のデビュー作『風の歌を聴け』という本の話が引用されています。
太平洋のど真ん中、遭難した男が浮き輪を掴んで漂流していた。すると、遠くから同じく浮き輪を掴んだ女が泳ぎながら近づいてきた。彼らは海に浮かんだまま、ビールを飲みながらあれこれおしゃべりする。夜通し話し続けたのち、女は当てもない島を目指して泳ぎ始め、男はそのままそこでビールを飲み続けた。女は2日と2晩泳ぎ続けてどこかの島にたどり着き、男は二日酔いのまま飛行機に救助される。数年後、この2人が小さなバーで偶然巡り合う。女はたいそう困惑した。自分は腕がもぎれるくらい必死に泳いで助かったのに、その場に居残っただけの男もまた、助かったからだ。男は生き延びた。必死に泳いだ女と同じくーーー。
みなさん、いかがでしょうか?
僕は頭をガツンと殴られたような衝撃を受けました。
だって、僕らは「努力することが正しい」という世界観で生きているような気がするじゃないですか?
筆者はこう言っています。
“努力の見返りはいつだって気まぐれだ”
そして、“人生は不公平に作られている。何事も頑張れば叶うなんてウソだ。君の努力が足りないせいじゃない”
とも、記しています。
人生、なかなかうまくいかないものです。
僕も失敗ばかりしています。
そんな疲れている時には、こんな言葉も素直に受け止めていきたいですね。
“自分だけの人生”は失敗の上に成り立つ
「まずは当たって砕けろだ。失敗したときは後悔すればよし」ーードラマ『孤独のグルメ』よりーー
著者は韓国人なのに、やたらとこの本では、やたらと日本の小説やドラマが引用されていますね(笑)
さて、孤独のグルメ。
食べることを至上の喜びとする主人公は、さまざまな土地に赴いて、自分の感覚だけで、満足させてくれる食堂を探し出します。
失敗してもかまわないと腹を括り、自分の感覚と眼識、嗜好を信じる。
今の世の中は非常に便利です。
ご飯を食べるのも、ネットで色々と調べられます。
そのおかげで、グンと失敗も減りました。
ただ、失敗が減った分だけ、楽しみも減ったような気がしませんか?
と、筆者は問いかけています。
確かにそうかもしれない…!
リサーチは大事です。
ちなみに、冒頭で述べた上司からの説教は、僕のリサーチ不足からでした。。。
話を元に戻して。
リサーチは大事ですが、行き当たりばったりで入ったお店が、とっても印象に残るものだった、なんて経験ありませんか?
旅先とかでフラッと寄ったお店とか、お食事処に限らず、本でも映画でも、なんとなしに体験したことが、とっても良かったなんて経験、みなさんにもあるはずです。
今の世の中、便利で色々と事前リサーチできる分、自分の感性が退化して、自分の選択が信じられなくなっているような気がします。
筆者はこう言っています。
失敗したらどうする?そう、簡単です!
思いっきり後悔すればよし
人生に大切なのは「ひげ戦略」
このエピソード、なるほどなぁ、なんて妙に納得してしまいました。
筆者がテレビを見ているとき、男の注目アイテムとして「ひげパウダー」という代物が紹介されていたようです。
何かと思ったら、粉状のひげを皮膚に貼り付けるものだったと。
ひげ=女性ウケしないもの
なんていうものが世間に定着していますよね。
でも、少数ですが、女性にもひげが好きな人がいる、なんてこともあります。
この「ひげ戦略」とは、ズバリ“選択と集中”。
大抵の人が、「女性ウケするファッション」「女性にモテるヘアスタイル」なんて検索する中で、そんな戦略に見切りをつける。
女性に好かれようが嫌われようがひげを生やし、少数のひげマニアの女性とだけ付き合おうとする潔さ。
ひげはアンチが多い代わりに、ライバルも少ないブルー・オーシャンそのものだ。
なので、「ひげパウダー」は、男の注目アイテムというわけです。
いかがでしょうか?
なるほど。と思った方も多いかもしれません。
要は、万人ウケをするより、自分がしたいことをすればいい。とのことでしょう。
ひげ戦略はともかく、僕もそうですけど、万人ウケを狙う傾向にあるのは、間違いないのではないでしょうか?
このブログもそう。
もっと個性的な感じでやれたらいいんですけどね。
みなさん、いかがでしょうか?
万人ウケを狙いすぎて、自分の思うことややりたいことにブレーキをかけていることありませんでしょうか?
そんな時は、「ひげ戦略」を思い出してみてください(笑)
最後に
今回は、「あやうく一生懸命生きるところだった」という本について、書いてみました。
筆者は、イラストレーター兼作家で、全然売れていない。という目線で書いています。
実際、この本を出版する前はそうだったのでしょう。
自虐もコミカルに描いていて、とっても面白いです。
自分ってダメだな、なんて思う時には、ぜひ読んでみてください。
もし、読む時間がとれない…って人は、耳から聴いて学べるAmazonオーディブルとか使ってサクッと通勤中とかにインプットしてみてもいいと思います。
以下の記事では、同じく心がホッとできる小説家、古内一絵さんのオススメ本を紹介しています。
こちらもあわせてご覧ください。
コメント