こんにちは!今回は第115回目になります!
今回は、「ケーキの切れない非行少年たち」という本について書きたいと思います。
みなさん、こちらの「ケーキの切れない非行少年たち」という本、ご存知でしょうか?
本屋でも山積みになっていたので、知っている方も多いと思います。
この本の内容は、軽度障害を抱えた少年犯罪についてです。
子どもに関わることが多い、親や先生には、ぜひ読んでもらいたい本になります。
今回の記事では、本の内容を要約した後、僕なりに感想を書いていきたいと思います。
ぜひ、最後までご覧ください。
非行少年たちの実態
筆者は医療少年院に勤務し、その経験をもとに、こちらの本を書いています。
医療少年院とは、発達障害・知的障害を持った非行少年が収容される少年院版支援学校という位置付けのようです。
非行のタイプは、窃盗・恐喝、強制猥褻、暴行・傷害、放火、殺人などです。
これを聞いて、みなさん、医療少年院に入ってくる“非行少年”について、どんなイメージを浮かべましたか?
凶暴な連中ばかりを想像したと思います。
でも、実際は、大人しかったり、中には人懐っこい子もいたようです。
しかし、彼らは問題を抱えていました。
例えば、“簡単な計算ができない”、“簡単な図形を写せない”、“短い文章すら復唱できない”など。
見る力、聞く力、見えないものを想像する力がとても弱いようです。
そのせいで勉強が苦手というだけでなく、話を聞き間違えたり、周りの状況が読めなくて、対人関係で失敗したり。
その結果、イジメに遭ったりしているようです。
そして、このイジメこそが非行の原因になっているケースも多いようです。
非行少年が犯罪を犯す経緯
彼らが犯罪を犯す経緯をみていきましょう。
例えば、傷害事件のきっかけとして、「相手が睨んできたから」という理由をよく聞きます。
この背景には「認知機能の弱さ」があります。
人は五感を通して外部環境から情報を得ます。
そして、得られた情報を整理し、それを基に行動に移していくのが認知機能です。
しかし、認知機能が弱いと、正しく物事が認知できません。
結果として不適切な行動に繋げてしまうケースが多いようです。
また、知的障害を抱えている人は、後先のことを考えて行動することが苦手です。
「これをやったらどうなるのか」と想像することが苦手なのです。
なので、突発的に犯罪を犯してしまうケースが多いようです。
性非行についても、こちらの本で書かれていました。
上述の通り、彼らの多くはイジメに遭っているケースが多いようです。
そのストレス発散に、幼女への猥褻行為を繰り返していたケースが多かったようです。
学校で気づかれない子どもたち
上記の子どもたちは、軽度知的障害や境界知能(明らかな知的障害ではないが、状況によっては支援が必要)に該当する子が大勢いるようです。
軽度知的障害や境界知能の子に関しては、一般学級の生徒です。
みなさんのクラスメイトでも、少し変わった子はいませんでしたか?
小学校では「厄介な子」として扱われる普通のクラスメイト。
しかし、その障害に気づかれることは殆どないようです。
現在、知的障害は一般的にIQが70未満と定義されているようです。
しかし、1950年代では、85未満と定義されていたようです。
ところが、IQ85未満だと、全体の16%が該当することになり、これでは多すぎるということで、70未満に下げられた経緯があります。
しかし、定義が変わっただけで、実際IQ70〜84の子どもたちは、依然として境界知能の子どもたちとして、一般学級に存在しています。
この境界知能の子どもたちは、全体の約14%。
つまり、35人のクラスなら、約5人は該当することになります。
しかしながら、知的なハンディを持った人たちは、普段生活している限りでは、ほとんど健常者と見分けがつかないようです。
本来ならば支援が必要なのに、社会からは「厄介な人」と攻撃され、さまざまな困難に直面しています。
結果的に、本来保護しなければいけない障がい者が、犯罪者になってしまうケースも、容易に想像できますね。
ケーキの切れない非行少年たち|感想
今回は「ケーキの切れない非行少年たち」について書いてみました。
僕としては、まず正直に、幼い娘を持つ父親として“怖いな“と感じました。
先ほども触れましたが、非行少年の犯罪の中で、幼女への猥褻行為は非常に多いようです。
筆者が面接した感じでは、最初から幼児にエッチなことをしたいというより、「この子だったら自分を理解してもらえる」と、幼女に恋心を抱くといった、対人認知の歪みからきていると思われるケースが多かったようです。
いわゆるグレーゾーンの人たちを、差別してはいけないというのは、頭では分かっています。
でも、子どもを犯罪から守るのは、親の役目です。
そして、何よりも、子どもが犯罪に巻き込まれて欲しくない。
やはり、ここは注意していく必要があるな、とより一層感じました。
そして、この本を通じて、思うことがもう一つ。
グレーゾーンに関して、全体の約14%の人が該当するということです。
ということは、7人に1人が該当します。
これ、結構な確率じゃないですか?
決して他人事の話ではないはずです。
社会全体の問題として、取り組んでいけたらいいですね。
そのためには、まずこの事実を多くの人に、認識してもらうこと。
そのきっかけに、この記事がなれば嬉しいです。
興味があれば、ぜひ手にとって読んでみてください。
もし、読む時間がとれない…って人は、耳から聴いて学べるAmazonオーディブルとか使ってサクッと通勤中とかにインプットしてみてもいいと思います。
また、以下の記事では、子どもの教育について、ビリギャル先生の坪田信貴先生の“「人に迷惑をかけるな」と言ってはいけない”を参考に、僕なりに考えを書いています。
もしよかったら、あわせてご覧ください。
コメント